新ライン「アフリカ生地キテンゲ」とSDGsへの取り組み
台風の進路が、この15年くらいですごく変わったなーと実感しています。
15年くらい前、ほんの短期間だけ東京で働いていて、住まいは多摩川を挟んだ向こう側。
当時としては珍しく、関東に台風が直撃すると聞いて、
すごくすごく怖い鬼のような上司の下でのとんでもない激務な職場だったのに、私は台風が来るから帰ります、と宣言しました。台風来たら多摩川越えられないんで。と。
その時、関東の人は台風の怖さを知らないからそんなに悠長にしていられるんだ、むしろ慣れていないくせに準備をしておかないなんて台風を舐めている!全員帰宅しろ!と一番の下っ端がとんでもない主張をし、確かに、九州の人がそう言うなら間違いないだろうと受け入れられ、その日は全員早退しました。
(結果全然大したことはなく、翌日白い目で見られました。)
脱線しましたが、それくらい関東に台風が直撃することは少なかったあの頃。今は九州よりも多いと感じています。
レジ袋廃止とか、海のプラスチックごみ問題とか、いろいろ耳には入ってきますが私が実際に体感できている変化は台風の進路と大型化くらいなんです。あと、夏が昔より暑くなったなーとは思うけれど。
不便な時代からものすごいスピードでどんどん便利になっていく世の中とともに成長してきた私は、地球規模の問題を自分の事として捉えきれていませんでした。
だって黒電話からスマホですよ…驚きですよ。そういったわけで、結局のところ、自分が生きてるうちは大丈夫という意識だったと思います。他人事で過ごしてきました。
それが、子どもを産んでやっと、この子たちの未来への不安を少しでも減らしたいと、やっとのやっと、自分の問題としてほんの少しずつですが考えられるようになってきました。
本当にほんの少しですけど。
話は変わりますが、私はもともと古いものが好きでした。
小学生のときから、母の若いころの、古めかしい洋服が好きでした。
でも使えないものも多い、古いもの。
だから、リメイクはずーっと身近にありました。おしゃれとかの感覚ではなく、楽しくって大好きでした。
そして、リメイク品の、生地レベルからの唯一無二・一点物という魅力にも夢中でした。
ちょっと大きな表現になってしまいますが、大切な「地球」と、大好きな「古きよき」もの。
最近、それは両立できるものだ、とも気づきました。
でも、環境やその他の問題に配慮できるのは必要なことだと思いますが、最初から新しいものを使うよりも手間もお金もかかるんだし、それで商品自体の魅力が劣るのでは、作る必要はないと思うのです。
新品のものを使って作るよりも良いものを作れると判断したので、スタートしたshoeface。生地=古いものの魅力。それが第一にありました。
そこから一歩踏み込んで、古いものに限らず本来の用途を為せなくなった魅力的なものたちを、その良さを活かしながら更に価値を底上げしたものとして生まれ変わらせる。
単純なリサイクル、リメイクではない、「アップサイクル」にこだわって進んできたのが、古いスカーフと着物やその反物を使った靴紐たち。
そんなふうに、
第一には、良いものを作ること。
その次に、良いモノを完成させるまでのアプローチとして地球を大切にできるものかどうかを考え、それが叶わないなら作らないという判断をする。
そういう考え方を大切にしています。
そして最近、なにかブランドをもう一歩発展させられないかな、と模索している中、第一のモチベーションである「良いものを作る」に突然飛び込んできたのが、今回の新ライン、アフリカ生地「キテンゲ」。
まずプリントの魅力にもうめろめろ!なんて素敵で独特な色使い。
確実に良いものを作れるじゃないか!
でも、環境的なこと、地球的なことは?問題ないだけじゃなくて、何かメリットは?
素材としての魅力は大好きな古きよきものに劣りませんが、進行するにあたっての次の基準である「地球全体の問題に関しての付加価値」はあるか。
…あら!仕入れ予定にしていたところ、SDGsに力を入れてる!
ということで、進行するかどうかの判断基準もクリアしました!仕入れ元に丸投げですけど!
丸投げで協力できる、というのも本当に大切なことだと思っています。ラッキーサスティナブルとでも言いましょうか。
欲しい物を買ったら、結果SDGsに参加できてた!って最高じゃないですか?
それは、私が作る段階での考え方にとどまらず、
例えば特に環境を意識したわけでなく純粋なファッションアイテムとして魅力を感じてshoefaceをご購入下さった方にも共有して頂ける感覚だと思っています。
私は前述の通り環境問題等に関して、抜群に意識が低い人間です。
資源ごみとか、廃品回収を地域単位やこどもの通う保育園で実施してくれているから出してるだけだし。
あとは普段使う洗剤を環境にいいやつに替えたりとか、手間が全然かからないことだけ。
環境以外のことに関しては、たまに募金をするとか、不要になった服を回収してるとこに持っていくとか、ほんとそのくらい。
らくちんだからできるというようなことしか出来てません。これじゃいけないのかもしれませんが。
でも楽だからこそ取り組める、続けることが出来るということは大切な視点だとも思うのです。
だから、ちょっと失礼な言い方になってしまうのかもしれませんが、そんな私のように意識が低い方でも、行動としては「気に入ったものを買う」だけで、
結果的にそういった問題に少しだけですが関わることが出来る。
また、ちょっとだけ向き合えたり、考えたりするきっかけになる。
もしくは、もともとしっかりと問題意識を持った方がこれを欲しいと思ってくださったときにも、きちんとその意識に寄り添うことができる。
そんなお手伝いとか、応援をできるブランドになれればとも思うのです。
ということで、前置きが長くなりましたが、柄もバックグラウンドも最高なアフリカ生地を使った新ラインの企画がスタートしました!
あとは生産できるかどうか。
生地としては、すんごくかたい。糊がすごい。
でも洗いをかけると柔らかくなって、風合いの良さが際立つ!
でも熱を加えると糊が残ってるのか、かたさが戻っちゃうからアイロンは使えない。
他にも細かいけれど重要な、色んな課題を1つずつ潰していって、だいぶ端折りますけどついに生産に繋がりました。
こちらもスカーフ生地同様、国内の職人さんの手によって丁寧に作っていただいています。
縫いやすそうだと思いきや、スカーフより手間がかかる場合もあるとのこと。
それとあわせて単純に、生地が他のラインより高いから値段設定も高くなっちゃいました!すみません。
しっかり水洗いをしてから生産にかかっていますが、生地の特性上もしかすると色落ち、色移りなんかもあるかもしれません。
プリント柄によっても生地感に差があるので、洗いをかけても多少の硬さが残るものもあります。
でも、ばりばりにかわいいです。
日本にはない、柄や色使い。とにかくハッピー。
使用しているアフリカ生地キテンゲは、東アフリカでもっとも愛されているプリント生地です。
綿100%のしっかりとした素材です。
現地ではドレスやシャツ、巻きスカートや雑貨小物などを作る、日常生活に密着した生地だそうです。
こちらの生地、入荷が不定期ですし、再入荷もほとんど無いと伺っています。
また、着物地シリーズと同じように、同じ柄の反物から作られていても生地の使用箇所や通す靴、履く人の足幅等でも見え方が全く異なります。
そのためスカーフ地や着物地同様に、一点物としての価値もしっかりとお楽しみいただけます。
shoefaceの新ライン、アフリカのキテンゲを宜しくお願いいたします!
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